西郷隆盛

内容紹介

木戸孝允、大久保利通、西郷隆盛は、「維新の三傑」と呼ばれています。長州藩、薩摩藩で中心的な役割を果たし、江戸幕府を倒して明治維新を成功させた功績でそのように呼ばれているのでしょう。同じ薩摩藩出身であっても、大久保利通と西郷隆盛は、途中から正反対の道を歩むことになります。大久保利通は、最後まで明治政府の中心にいました。西郷隆盛は途中から明治政府に反旗を翻し、逆賊のような形で最期を迎えます。対照的なふたりですが、なぜか西郷隆盛のほうが人気があるようです。西郷さんがどうして、あのような選択をしたのか、疑問に思う人がいるかもしれません。今回のメッセージでは、そのあたりの思いがしっかりと語られています。
西郷さんは、あえて若者たちとともに滅びの道を選んだのでした。情に流された人だったのかもしれません。正しいかどうかではなく、一人ひとりの幸せを願っていたのが西郷さんだったのでした。西郷さんご自身の真情が、朴訥とした口調で語られます。メッセージを改めて文字で読んでも涙があふれてきます。実際の音声として聴いていただくと、さらに西郷さんの思いに心が揺さぶられることでしょう。「樫の木」のような人だったと、木戸孝允さんも言っていました（第31巻）。大地に根を生やしてどっしりとした西郷隆盛という存在を、読者のお一人おひとりに感じていただきたいのです。
間違いなく人生を全うしようと思えば、もっと違った生き方ができたはずです。彼にとっては死んだあと名前が残ろうと残るまいと、そんなことはどうでもよかったのです。天国に行こうが地獄に行こうが、それも関係なかったそうです。彼の周囲に集まって来る若者たちを放っておけなかったのです。その思いに突き動かされてあのような選択をしたのでした。
西郷さんが最も大切にした「一人ひとりの幸せ」を抜きにした、憲法も体制も意味がないということは確かです。そのことを、未来の地球をつくる人びとに知っていただきたいのです。何よりも西郷隆盛という魂の愛の大きさを感じていただくために、未来の若者たち一人ひとりにこのメッセージを捧げます。

もくじ